138 敬語はむずかしい? 敬語をマスターするために 2
わたしは、若い頃、
敬語を使うことに反発する気持ちを持っていた。
それはわたしが、
「丁寧」という言葉の意味を正確に十分に知らなかったせい。
と先週の特集で書きました。
意味を十分に知らなかったために、
限られた使い方しか知らなかったのです。
丁寧(ていねい)
1.相手を思いやって礼儀正しいこと。
2.細かいところまでよく気をつけて、心をこめてすること。
福武国語辞典より
この定義自体は、以前から知っていました。
いくつか国語辞典をみてみましたが、
だいたい同じような内容の定義がのっています。
でも、それだけではないんです。
若い頃のバイト先でのことです。
たくちゃーん なによー やーねー。いじわる!
みたいな口の利き方を普段から
私に対してしていた女性がいました。
それがある時、
村田さん。時間なんで、休憩入ってください。
と、いきなり丁寧語。
なんか冷たい。
なにか気に障ることをしちゃったのか!?
おれの悪事がバレたのかな!?
あれかな?これかな?
うわあああーまずいーーーーー。
とわたしは頭から血の気が失せてくらくらしてきます。
いつも二杯はおかわりするまかないのカレーも、
まったくのどを通りませんでした。
言葉遣いだけをみて、丁寧語だから、
私を思いやって礼儀正しくしている。
と判断するのは大きな間違いです。
でも、そんなことは、
国語の時間には教わりませんでした。
前回紹介した、
橋本治氏による
→ 「ちゃんと話すための敬語の本」
を読んで、
その女性はわたしとは距離を置きたかったわけで、
非常に適切で効果的な言葉遣いをしていたと、
最近、改めて気づかされたのでした。
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