121 数学はむずかしい?



  読者の方から質問をいただきました。


    今年大学受験なんですが、
    私は数学が大嫌いでほとんどできません。

    小学校のときから嫌いで
    やらなければいけないと思うのですが
    気が向かず高校に入ってからは
    赤点を取ったりしてしまいました…。
  
    先生に聞きに行ってもその場では分かるのですが、
    いざ問題を解こうとすると分からなくなります。

    なによりテストになると数学だけ異常に緊張してしまい、
    公式などを覚えていてもすべて忘れてしまいます。

    非常にやばいです。

    いったいどうしたらいいでしょうか。
 
    アドバイスがありましたら教えてください。


                           ひよの
  

  
  数学がむずかしくなったり
  できなくなる理由は、
  いろいろ考えられます。

 
    数字や記号がいっぱい出てきて、
    訳がわからない。

    数字が嫌い。

    公式を覚えられない。

    先生の教え方が、よくない。


  などなど。   

  
  で、さらに、

  
    2次関数なんて、実際、学校以外で使わないよ。

    足し算、引き算、かけ算、割り算ができていれば、用は足りる。
    
  
  などなど、できなくていい理由をいくつも思いつきます。

  わたしは、生徒さんからたくさん聞かされてきました。


  理由を考えるのはかまわないのですが、
  それをしたからといって、
  数学ができるようにはなりません。


  私がやることはただひとつ、
  生徒さんの誤解語を見つけ出して、理解させることだけです。


  たとえば高校生が、


     小学生の頃から算数が嫌いだった。


  と言っていたならば、その嫌いになる前の部分で、
  誤解語を探して調べさせます。

    絶対に俺には理解できない!
 
    わかんねーよ!

  と激しく抵抗される事もありますが、
  ひとつずつ、わかるところから、順を追って、
  単語を調べさせていきます。

  最後には、


    なんだそんなことだったの!?
    簡単じゃん!
    
    なんでそんなに意地を張っていたんだ??


  とその当人があっけにとられるようなことがよくあります。
 
   

  「算数」とか「数学」


  といった単語は、必ずチェックします。
      
  結構、知らなかったり間違って理解しているかたが多いです。

  まずこれを理解すると、

  数学が実際、
  自分とどういう関わりがもてるのか、
  どう役に立たせられるのか、
  考える足がかりができます。

  数学を「頭の体操」にしておくのはもったいなさすぎます。


  あと、注意しなくてはいけないのは、
  数学用語を理解しようとするときに、
  現実の質量と結びつけられない場合があります。

  というか、ほとんどの方は、実際の質量と結びつけていません。


  数学というのは、数や量、形の関係について、研究する学問です。


  数を扱うことで、様々な物事の量について、
  考えることができるようになります。

  それは何の量なのか?
  何に当てはめられるのか?

  足し算、引き算は考えやすいです。
  お金の計算なんて、
  ほとんどが足し算と引き算の繰り返しですよね。


    ホールケーキの分けた量

    シーズンをすぎた洋服の値引き率

    家電量販店のポイント還元


  となると、分数やら小数の計算が絡んできます。


  ある量の変化に応じて、もう一つの量が決まることがあります。
  それが関数です。

  駅まで、自転車だったら7分、
  歩きだったら、15分かかる。

  なんて場合があります。

  このときは、移動する速さによって、
  時間がきまります。


  などなど、身の回りのどんな量について、
  その数学やら算数が当てはまるのか?

  考えていくことで、質量を得ることができます。


  また、たくさんの公式があります。
  ただ暗記するのは大変だったり、
  忘れてしまったりしやすいです。

  でも、その公式が実際、身の回りやら、生活の上で
  具体的にどう当てはまるのか?
  使えるのか?

  十分に考えられたら、
  理解して使って行くことができるようになります。

  そうして、一部でも理解することができれば、
  あとは同じ作業の繰り返しです。

  小学生の算数からやり直したとしても、
  理解しながら進むことができれば、
  高校の数学まで追いつくのに、それほど時間はかかりません。



  何かができない理由はいろいろ考えられるかと思います。


  でも結局は、「勉強の技術」にある3つの障害のどれか
  に行き着きます。





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