089 前に戻ること



    数学が大嫌い!


  という中学3年生。
      
  頑張ってみようかと、
  中学3年生用の参考書を勉強するのですが、
  うまくいきません。

  テストでよくない点数をとってきます。

  お母さんがおこります。


    なんでできないの!もっと勉強しなさい!


  で、再度、教科書や参考書で勉強しようとするのですが、
  うまくいきません。 

  ますます数学嫌いになっていきます。
  

   
  そんな人の勉強を見てあげるとき、
  わたしは前に戻します。
 
  中学生だろうと、小学生で学ぶような基礎的なことを
  理解しているかどうかチェックします。
 
  わり算はできます。
  でも分数の計算ができません。

  なので小学校の算数まで戻して、
  誤解語を見つけます。


  その過程で、


    えー!


  といやがらることもあります。


    そんなことわかってるよ。


  と言われたりします。

  中学3年生が、小学生の勉強をするなんて、
  プライドが許さないのかもしれません。

  また、お母さんに、

    そんなことはいいから、
    今の中学3年の数学を教えてほしい。

  と言われたりします。


  でも、必要なのは前に戻ることです。


  誤解しているのは単語だけではなくて、
  記号もあるかもしれません。
       
  で、「分数」「分母」「分子」

  といった単語、分子と分母の間の線の意味
  を正しく理解していないことがわかります。  
  そこを、わかりやすく
  実際の使用例なども示して、理解させます。

  彼は、自分が理解していなかったこと、
  今は理解していることに気づきます。

  その時点で、理解するということが
  どういうことなのか、実感としてわかります。

  そして、その小学校の時点から
  順番に勉強をすすめさせます。

  今度は確実に理解しながらすすんでいきます。 
  わからないまま、先に進んでしまうことはまずありません。


  数学が昔から苦手な中学3年生が、
  中学3年の数学をいくら勉強しなおしたところで
  うまくいきません。

  で、彼が数学が苦手なのは頭が悪いせいでも、
  勉強時間が足りないせいでもありません。
  
  ずっと昔の誤解語をそのままにしていることが
  原因です。  

  必要なのは、それを解決することです。 


  誤解語によって起こる現象については、
  「学び方がわかる本」48ページ
  「基礎からわかる勉強の技術」83ページに
  くわしい記事がでています。






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