035 段階の飛び越し



    あんた、何やってんだ!


  同時期に、はじめた方々はすでに、先に進んでいます。
  わたしは、一人出遅れて、最初の実習を、二日目もやっています。

  ずいぶん昔のことです。
  わたしは、自動車教習所で、自動二輪の免許をとるために、
  講習を受けて、実習をおこなっていました。


  バイクに乗るのは、そのときが初めてでした。

  マンガやテレビのどこかで、何度か、


    アクセル全開!


  なんて言うフレーズを何度も見たか、聞いたかしました。

  で、わたしは、アクセルは全開にするもんだと、
  思いこんでいて、
  思いっきりアクセルレバーを回転させました。


  前にいた教官が、怒鳴りながら、わたしが乗っているバイク
  のハンドルについているスイッチを切ります。

  エンジンが止まります。
  バイクも止まりました。

  で、教官がどなります。


    あんた何やってんだ!


  わたしは、何が起こったかよく分かりませんでした。


  どうも、もう少しで教官をひいてしまうところだったようです。


  わたしはその時間、一人で発進の練習をしました。

  でも、すぐ、エンジンが止まってしまいます。
  うまくいきませんでした。

  脇で教官が集まってなにやら話しています。
  時々わたしの方をちらちら見て指を指したりしています。

  どうも、わたしは問題児扱いされているようです。



  次の日、昼休みにバイト先で先輩に、
  発進の仕方を教わりました。
  先輩がアクセルを回す様子を見せてくれました。


    そうか!アクセルは少しずつ回していかないとだめなのね。


  で、建物の敷地内の道で、先輩のバイクを使って
  発進の練習をさせてもらいました。

  そうして、発進ができるようになりました。


  その後は実習もスムーズに進み、無事免許が取れたのでした。








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