029 勉強の三つの障害のひとつ、段階の飛び越しについて
読者のかたから、質問のメールをいただきました。
初めまして。最近、貴方のメールマガジンを読み始めた大学生です。
私自身は学習障害ではないんですが、
アルバイトとして働いている塾で受け持つ今度中学生の生徒が
学習障害と言われています。
彼は本を読むのも好きで、失読症ではありませんが、
漢字を書くことができないのです。
読むことはできるし、漢字の画数も正確に言うことができるのですが、
いざ鉛筆を持たせてノートに書かせようとすると
全く書けないのです。
今までこのような子がいるとは知らなかったので、
最初は本当に驚きました。
どうやって教えたらいいのか
いまだにいい方法が見つかっていない状況です。
今回買うことが出来る本は
このような学習障害にも対応できるのでしょうか?
わたしは、「学習障害」などというものは存在しないと考えています。
なにかを学ぶうえでうまくいかないとしたら、
それは、「学び方がわかる本」「基礎からわかる勉強の技術」
にある、三つの勉強の障害のどれかに、
引っかかっていると、判断します。
わたしは、上の質問に対して、次のように回答しました。
メールありがとうございます。
「勉強の技術」で、勉強するうえでの障害は
3つあると言われています。
詳しくは、
「学び方がわかる本」
または、「基礎からわかる勉強の技術」
を読んで頂きたいと思います。
わたしが、このメールだけから判断すると、
これは、段階の飛び越しという障害なんじゃないかと思います。
彼は、初歩のどこかの段階で、うまくいかなくなって、
そのままになってしまっているのではないでしょうか。
彼は、鉛筆を使って、線を引くことはできますよね。
まあ、もしできないのであれば、
1.鉛筆をもつ
2.線を引く
といったところから、練習する必要があるだけです。
線を引くことができるのであれば、
小学校一年生レベルの漢字練習帳を買ってきて、
一、二、と言った、基本中の基本の漢字の練習をさせます。
で、確実に書けるようになったら、
少し段階を上げて、次は小学校二年生レベル・・・
と繰り返していきます。
少し時間がかかるかもしれません。
でも、簡単な段階から、
ほんの少し、
ほんの少し、
段階をちょっとずつ
あげていけば、最後には、
普通に漢字が書けるようになるはずです。
このメールを送った後、すぐに
やってみます。
と言う返事をいただきました。
どういう結果がでるか、楽しみです。
あと、ひとつ、メールに書き損ねてしまったことがあります。
漢字が書けなかったり、
できて当然だと思えるようなことを
生徒ができなかったとしても、
ダメだ
できが悪い
頭が悪い
「学習障害」で脳に欠陥がある
などと言う必要は、全くありません。
そんなことを言ってしまったら、
生徒はやる気をなくしてしまうでしょう。
自分が言われたら、どう思うか考えてみれば
お分かりになると思います。
ただ単に、段階を下げて、
少しずつ練習して、
できるようにしていけば、
ほとんどの場合、うまくいきます。
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