009 脳とか神経の問題にして解決するのか?2
さて、先週号で、
ドッチボールができなくて、クラスでういてしまう子
に対して、どうしてあげたらいいのか?
について書きました。
けっきょく、原因をたどっていくと、
なにかの「単語」を理解していないことに行き着きます。
だから、その子には、彼が理解していない
ドッチボール用語を学ばせるのが解決法です。
医者に診せることではありません。
詳しくは、先週号をご覧ください。
脳とか神経の問題にして解決するのか?
いま、教育の世界で「学習障害」という言葉が
よく使われるようになっています。
へたしたら、先週書いた、
そのドッチボールができない子も
学習障害と診断されてしまうらしいです。
「学習障害」とはいったいなんなんでしょうか?
文部科学省では以下のように定義されています。
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学習障害とは、基本的には、
全般的な知的発達に遅れはないが、
聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの
特定の能力の習得と使用に著しい困難を示す、
様々な障害をさすものである。
学習障害は、その背景として、
中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、
その障害に起因する学習上の特異な困難は、
主として学齢期に顕在化するが、
学齢期を過ぎるまで明らかにならないこともある。
学習障害は、視覚障害、聴覚障害、精神薄弱、情緒障害などの状態や、
家庭、学校、地域社会などの環境的な要因が
直接の原因となるものではないが、
そうした状態や要因と共に生じる可能性はある。
また、行動の自己調整、対人関係などにおける問題が
学習障害に伴う形で現れることもある。
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けっきょく、文部科学省は、原因を特定していません。
それでは、この問題を解決できるわけがありません。
わたしは、以前も何度か書きましたが、
高校時代、ぜんぜん勉強できませんでした。
勉強しようとすると、眠くなって、
起きていられなくなります。
気合いでがんばろうと、滝に打たれたり、
寺に座禅をくみにいったりしましたが、(うそです。)
ぜんぜん解決しませんでした。
おれは頭が悪くて、脳の神経が麻痺していて
左脳が機能していない。
だから、文系の科目がまったくできないんだ!
と当時は思っていました。
それで、
おれは頭を使う仕事はできない
と思いこんで、肉体労働ばかりやっていました。
その頃、学習障害なんて言葉を聞いたら、
自分もそれだと思ったに違いありません。
でも、それは、けっきょく脳や神経の問題ではありませんでした。
高校を出て何年もたって、「勉強の技術」を知りました。
そして、高校時代に学んだけれど
できなかった科目に出てくるいくつもの「単語」
の意味を調べていきました。
それには、けっこうな時間を使いました。
その結果、ある時、気がついたら、
眠くならずに勉強できるようになっていました。
先週号のアンケートで
以下のような回答をいただきました。
教育の場で気づかれることが少ないために、
できない子という間違った判断をされ、
子供の可能性を広げるのを
妨げられてしまうことが残念です。
私ができる限り、身近なところからそのような子供がいたら、
さりげなく救い出したいと思います。
みなさんも、まわりの困っている人を、助けてあげてください。
やりかたは、おわかりですよね。